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バスジャック/三崎亜記
バスジャックバスジャック
(2005/11/26)
三崎 亜記

商品詳細を見る

「三十年って、長かったですか?」
「いやあ、三十年が五十年でも変わんねえよ。なぁんもね」
「そんなもの、かなぁ」
「ああ、インドゾウの『るうしぃ』なんざ、ワシと一緒に動物園に来たけど『もうゾウも飽きちまった』なんて言い出さないしなぁ」
しごく真面目な顔で野崎さんが言うので、私は思わず噴き出してしまう。
「だからワシも、『野崎のおっちゃん』に飽きるわけにゃいかねえんだよな」
「そうかぁ。うん、そうですよね。自分に飽きるわけにはいかないかぁ。そうだなぁ」(「動物園」)


短編集。
面白いです。
この世界とは少し軸がずれてる世界のお話。
私はすごく好き。

妻が出産のため里にさがり、家をかえりみなかった夫が困難に巻き込まれる、「二階扉をつけてください」。
ごく短いお話ながら、三崎さんのお話の特徴が色濃く出てると思う。
二階扉って?
主人公の夫とともに、この得体の知れない扉に関わっていくわけですが。
ラストには、二階扉の用法は解明されるものの、で、結局二階扉ってどういう理屈なわけ?!
謎のまま。

この三崎ワールドたまりません。
謎が謎のまま。
作者は神、提示されたコトバをもうそのまま受け入れるしかないわけで。
それがいいんです。

表題作の始まりは、
 今、「バスジャック」がブームである。
だよ。

作者だけしか納得できないであろう、ねじれた世界に引きずり込まれていくのがなんとも心地よかったり。

私がいちばん好きなのは「送りの夏」。
これは、主人公が私たちサイド。
家出した母を追ってきた麻美。
そこは、マネキンと暮らす人々の家。
麻美の視点で、読者は徐々にこの家のことを理解していく。

突然の死に向き合えない人々が、マネキンと暮らしながらその死をだんだんと受け入れていく。
麻美は思春期の女の子で、もちろん「死」とは遠い場所にいる。
でも、この家にしばらく滞在しているうち、おぼろげに「死」を意識していく。
でも、やっぱり麻美がまだ若いんだなぁ、というのは「死」をイメージするとき水族館のガラスの向こうに揺れる死体・・・を想像するんだけど、それが母であったり父であったり。
決して自分じゃないところが、若い健康的な女の子なのだなぁと。

ま、でもそりゃそうだよね。
思春期をとっくに過ぎた私でも、そんなの自分自身の身に置き換えては考えられないもん。
考えたくないというか。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

【2008/08/04 00:48】 | ロンドン五輪以前 | トラックバック(1) | コメント(1) | page top↑
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コメント
NoTitle
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
【2009/11/18 18:30】 URL | 藍色 #-[ 編集] | page top↑
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バスジャック 三崎亜記
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