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ハチ公の最後の恋人/吉本ばなな
ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)ハチ公の最後の恋人 (中公文庫)
(1998/08)
吉本 ばなな

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祖母の予言のとおり、インドと関わりのある青年と出会い、恋に落ちた「私」。
運命付けられた別れを知りつつ、恋を燃やすふたり。

「サウスポイント」に関わっていくお話、ということで再読。

「世界中がこんなにいっぺんにいろんなことを表しているのに、どうしてそんなにちっぽけなかけらに切り取るのさ」
ハチはうしろに星空とか、海とか山とか、大きいものを背負っている。(略)私は負けた。自閉症児の箱庭みたいな私の言葉は私自身の見開いた瞳にすらかなわない。
自由になりたい。(略)
自分の奥底までもぐって、もぐって閉じて閉じて、開放されたい。どろどろに汚れた湖底のトンネルがやがて美しい入り江につながっているように。


目を開いて、映った景色をそのまま取り込むのはなかなか難しい。
視界はいつでも狭くて、都合のいいようにしか見えなくて、その景色を自分の真実と信じて、人もそして他人すらも騙し通そうとしてしまう。
ありのままに、自分を、自分を取り巻く世界を受け入れること。
それはきっと苦しいこと。
でも、その先には美しい世界。
そんな場所まで、いつか到達できるんだろうか。

ハチは、「私」との生活を捨てて、ヒマラヤへ行こうとする。
それは、彼にとって避けられない運命のようなものだから。
彼がそのことを、苦しく寂しくつらく思っていた時期もあったのだ。
その頃の「私」は、現実味を持てなくて、あっけからんと過ごしていた。
別れを目前に、突然、別れがたい思いにさいなまれるまでは。

「おまえはいったいなんなんだ。俺が泣いていたときはけろりとしてたくせに」
そういうものなのだ。(略)
ほんとうに気に入った人と人同士はいつもこんなふうに追いかけっこをしている。タイミングは永遠に合わない。
そのほうがいい。二人で泣いてなんになる。
二人で笑うならまだしも。


べったりと気持ちをくっつけあうだけが、恋人同士の姿でなく。
こういうのって素敵。
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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

【2008/07/12 22:31】 | ロンドン五輪以前 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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