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![]() | 風に舞いあがるビニールシート (2006/05) 森 絵都 商品詳細を見る |
短編集。
どの作品も、まったく違った世界で働く人々が主人公で。
色々な話が読めてたいへん満足感が高い。
犬の里親を探すボランティアをしている女性の話、「犬の散歩」。
休日をつぶしてクレーム処理をするサラリーマン。同行する出版社の若者は、向かう車中で私用の携帯を離すことがない。やがてその理由が明らかになる、「ジェネレーションX」。
この二編が特に好き。
他の話もすっごくいいんだけどね。
久しぶりに、読んだ後ににっこりして「ええハナシや〜!」(なぜか大阪弁)ってしみじみ口をついて出る本でした。
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![]() | さよならの空 (2005/03/29) 朱川 湊人 商品詳細を見る |
オゾンホールを消滅させる化学物質が開発され、世界の各地で散布されていた。
だがその副作用として、夕焼けが消滅してしまう。
発明した科学者テレサは、日本での散布に立ち会う。
彼女は、日本でどうしてもやらなければならないことがあった。
SPの保護の手をすり抜け、横浜へと向かうテレサ。
その地で彼女が為すこととは。
また、テレサだけが知るもうひとつの副作用の危惧は回避できるのか。
君がベッドに行く時、ママが君を抱きしめて、オヤスミ・・・・・・って言うだろう?お日様が世界中に、あれをやっているようなものさ。
君がママのことを好きなように、きっと世界中の人が、夕焼けが好きだったと思うよ。
絶対に誰の中にも、きれいな夕焼けの思い出があったはずさ。
この本でエッセイ以外の朱川さんの作品、単行本になってるもの読破してしまいました。
ああ、もう読み終わってしまった・・・
と残念に思いつつ、その最後にこんな素敵な作品を読めて幸せ。
ちょっとSFっぽくて、科学の話が盛り込まれた、これまでとは毛色の違った作品かなと思わせつつ、朱川さんらしい人と人の思いの温もりが伝わってくるエピソードが盛り込まれていて。
テレサが狭心症の発作で臨死体験めいたものをする。
テレサいわくは、カトリック信者の臨死体験にシャカが現れないように、自分の想像の範囲を超えることは起こらない。臨死体験とは、ただの個人の記憶である、と。
彼女のそれは、地球が冷えて固まった直後から最初の生物が生まれ、劇的な進化を遂げていく映像。
追体験していくと、生命の進化のプログラムが恐ろしく緻密で、何者かの意図を感じるよう。
生命の進化なんて知らなかったから、読んでいて驚くばかり。
すべての生物の祖は、突然変異体。
光合成をして、酸素を作り出す。
それまでの生物は、その酸素に触れると破壊され駆逐されていき、やがて変異体は地球の主役となった。
やがて酸素は海中から大気に向かって放出される。
その一部が紫外線による化学変化を起こして、オゾンとなる。
オゾンは集積して層になる。
有害な紫外線を遮るオゾン層の形成により、生物は海から陸へと活動の区域を広げていく。
想像を絶する時間をかけ、地球は生物を進化させてきたのか。
そして今、生物の頂点に君臨する人類が、地球の意思に反旗を翻しているのか。
・・・いや、滅びこそもプログラムのうちなのかもしれない。
この危機を乗り越えられなければ、すべての生物は死滅するように。
そう、仕組まれているのかもしれない。
とても深い話で、読み終わった後に呆然としてしまった。
わたしのなかで、朱川さんの著書でナンバーワン!に決定。
好きな挿話をひとつ。
テレサが日本に滞在中、ホテルの部屋にまで同室となる女性SP。
彼女が気に入っているらしい堅苦しいSPファッション。
眠るときは何に着替えるのだろう、ドナルド・ダックのイラストのパジャマだとしたら、この女性を少しは好きになれるかもしれない、とテレサは思う。
テレサが帰国する時、見送る彼女の目は真っ赤で、しきりにハンカチで目元をぬぐっている。
そのハンカチに刺繍されていたのは、ドナルド・ダックだった。
初対面では打ち解けなかったふたりが、事件に巻き込まれていくうち心をすり寄せていく、その象徴みたいで微笑ましくて好き。
ミニーちんの絵葉書







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